大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)5261 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人松永東同石渡秀吉の各上告趣意は後記のとおりであつて、これに対する当

裁判所の判断は次のとおりである。

弁護人松永東の上告趣意は、単なる刑訴法違反の主張であつて刑訴四〇五条の上

告理由に当らない(のみならず本件起訴状には被告人Aを含めて四名の者が被告人

として表示されており、また公訴事実記載の冒頭には「被告人等は……云々」と記

載されているのであるから、所論のように本件被告人を公判廷における釈明によつ

て追加したものではない。されば、この点に関する原判決の判断は正当であつて本

件には所論のような刑訴法の違反もない)。

弁護人石渡秀吉の上告趣意第一点は量刑不当の主張であり同第二点は事実誤認の

主張であつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。同第三点は判例違反

を主張するのであるが、所論の判例は上告趣意書の記載要件に関するものであつて

判決書の記載要件に関するものでないから本件の場合に適切でないばかりでなく、

反つて控訴審において事実の確定に影響を及ぼさない事由により第一審判決を破棄

して自判する場合に第一審判決の認定した事実を基礎として法令を適用することの

正当であることは、すでに当裁判所の判例(昭和二六年(あ)二九四三号同二八年

八月七日第二小法廷決定、昭和二七年(あ)四一七号同二八年一一月一〇日第三小

法廷判決)とするところであるから論旨は採用できない。なお、本件には刑訴四一

一条を適用すべき事由も認められない。

よつて、刑訴四〇八条一八一条に従い、裁判官全員の一致した意見で主文のとお

り判決する。

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昭和二九年二月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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